天平造形美のクライマックスともいえる十二神将立像が安置される
落ち着いた街並みの中に建つ古刹
正式名称 | 日輪山 新薬師寺 |
宗派 | 華厳宗 |
住所 | 奈良県奈良市高畑町1352 |
最寄駅 | JR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バス破石町下車 |
聖武天皇の病気平癒を祈願して光明皇后により建てられた新薬師 |
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新薬師寺は創建当時、香山薬師寺(こうぜんやくしじ)または香薬寺(こうやくじ)とも呼ばれていました。 現在は本堂・鐘楼・地蔵堂・香薬師堂の規模のお寺ですが、756年完成当時は横幅約60mの金堂を中心に左右の塔・講堂・食堂・僧坊と大寺院だったようです。 その後、落雷や台風などで損壊、寺の縮小があり鎌倉初期にはほぼ現在の大きさになりました。 |
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特徴的なお顔の新薬師寺本尊 薬師如来坐像 |
本堂中央部に配置された須弥壇には薬師如来坐像(国宝)が安置されています。 新薬師寺の薬師如来は他では見たことのないような大きな目をしています。言い伝えでは聖武天皇が目を患った時に造らせたとのこと。 真正面からみると大きな目に唇を前に突出して口角を少し上げている愛嬌のあるお顔をされている仏様です。 |
本尊を守るように配置された十二神将立像 |
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新薬師寺の十二神将立像は薬師如来坐像を守るように取り囲み円形に配置されています。 完成当時は極彩色で彩られていた像ですがその色彩が取れたことにより、一層薄暗いお堂の中で陰影がくっきりと際立ち、迫力を増しているようにも感じられます。 十二神将像は二体ずつを一組としていますので、腰のひねりや足の配置、静と動の対比などに注目してみるのもおすすめです。 どのような彩色が施されていたかをCGで再現した映像を流していますので、そちらもおすすめです。 |
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景清地蔵とおたま地蔵尊 |
平家残党の平景清の伝承にちなみ景清地蔵と呼ばれる地蔵菩薩立像は昭和50年代に修理が行われた際、その体内から裸形の像が発見されました。それがおたま地蔵です。 現在は香薬師堂に2体とも安置されており、通常は公開していませんが特別公開時または、寺務に差支えない場合は拝観可能な場合もあるようです。 筆者が20年ほど前に伺った際は別の建物内に安置されており、拝観希望の旨を伝えたところ快諾していただき、丁寧な説明をしていただいたことがとても良い思い出です。 |
新薬師寺は規模は小さいお寺ですが天平の美を間近に見ることができ、とてもゆっくり落ち着けるお寺でした。 |
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