vol.04
「密葬」と現代の葬儀事情
1/密葬―本来の意味は?
もしお手元に辞書があったら、密葬という言葉を引いてみてください。大半の辞書が大別して二つの意味を挙げているはずです。
ひとつは「密(ひそか)」の字が示すように、人に知られず秘密裏に死者を葬ること。歴史ファンなら、武田信玄公の「自分の弔いは無用、亡がらは3年後に諏訪湖に沈めよ」という有名な遺言が思い浮かぶかもしれません。
実際は死の直後、限られた家臣の手でひそかに荼毘に付されたといいますから、これなどは典型的な密葬といえます。
ふたつめは、身内などが内々で葬儀をすること。お葬式に集まるのは家族・親族や一部の親しい友人・知人のみ、それ以外の関係者には通知されません。この時参列できなかった人は、後日開かれる本葬やお別れの会に出席することになります。
このような形式の葬儀は、多くの弔問客が集まることが予想される著名人や、人手を借りるのが憚られる繁忙期の農村、年末年始の葬儀を避けたいなど様々な事情で執り行われています。
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