青と白の縦縞模様から青白幕とも呼ばれる、浅黄(あさぎ)幕。その歴史は鯨幕よりも古いと考えられており、神聖な場所を示す役割を持った幕です。
今では神社の境内を始め、地鎮祭や竣工式などの儀式、園遊会などの皇室行事に幅広く用いられています。大人数が集まる竣工式では、会場全体を紅白幕で覆い、祭壇周辺は浅黄幕で区切るといった使い分けも見られ、興味深いものがあります。
神式の葬儀(神葬祭・葬場祭)でこの幕を見かけた方も少なくないことでしょう。神式では、鯨幕を使うかわりに浅黄幕を張り巡らせます。地域によっては仏式を含む葬儀一般に用いたり、若年者が亡くなった時に使う風習もあるといい、多様な慣習に驚かされます。
蛇足ながら、関西圏には高齢者の葬儀に紅白饅頭や紅白砂糖を出す地域があるそうです。この世で果たすべき役割をやり遂げて長寿を全うした人が次の世界へと旅立つのは、晴れがましくめでたいことでもある…そんな日本人の死生観も心の隅にとどめておきたいと思うのです。
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