身内やごく一部の知人にしか知らせないのが密葬の建前。とは言え、新聞の死亡記事(おくやみ欄)などは、密葬の通知と本葬の日程を併記したものがほとんどです。その理由として、社会的に重要な立場にあった人物が死去すると、遺族や関係者の元に弔問や問い合わせが集中する事態が予想されます。あえて広く通知することで、しばらく遺族を静かな環境に置いてくださいというメッセージとなり、規模の大きな本葬・社葬の準備に専念することもできるわけです。
さて、密葬は本葬を前提に行われるというのが以前の常識でしたが、家族葬・直葬が増えるにつれて、それぞれの境界が分りにくくなっているようです。形式に関係なく「少人数の葬儀=密葬」と考える人も少なくありません。葬儀の専門家からは、特に家族葬と混同する傾向が見られるという指摘も出ています。
家族葬は密葬と違い、それ自体で葬儀が完結するため、後日の本葬は行われません。曖昧な言葉で周囲の誤解を招かないよう、留意する必要がありそうです。
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