普段の生活では宗教に関心が無くても、供養は仏式に則って行うという方も多いのではないでしょうか。日本の葬儀は約90%が仏式で執り行われています。そして、葬儀後も供養を仏式で行う方も多いでしょう。
仏式で供養をする際に必要となってくるのが「仏壇」と「戒名」です。今回の週刊葬送なびは「戒名」を取り上げます。
注)宗派によって、仏名、法名などほかの呼称もありますが、このコラムでは〈戒名〉で統一させていただきます。
戒名とは、仏教に帰依した者に与えられる仏の弟子としての名前です。仏教では人は亡くなると仏の弟子になるとみなされ、戒名を授かるのです。
ところで、位牌に書かれている戒名をじっくり見たことはありますか? 似たような文字や生前の名前が使われていることに気づきませんでしたか? 戒名は院号、道号、戒名(2文字)、位号の4つのパーツに分かれます。本来の戒名にあたる部分は2文字のみですが、全体を戒名と呼ぶことがほとんどのようです。宗派によって、削除されたり、追加されたりしています。
それぞれのパーツについて説明しましょう。
〇院号または院殿号:生前に寺院に尽くしたり、社会的に貢献した人に付けられます。
〇道号:仏名の上につけられる、号とか字に相当する部分。
〇戒名:2文字で表されており、その中の1文字は生前の名前の1文字が入ることが多いです。2文字で表されている理由は、仏の世界ではどんな人でも平等であるということを表現しているとされています。
〇位号:戒名の下につけられる位。仏教徒としての位です。宗派によって違いがありますが代表的なものは次の通りです。
●居士(こじ)/大姉(だいし)・・・成人男性/成人女性の場合。
信士/信女よりも寺院に貢献した人に付けられる
●信士(しんじ)/信女(しんにょ)
成人男性/成人女性の場合
●童子(どうじ)/童女(どうにょ)
15歳未満の子供の場合
●孩児(がいじ)/孩女(がいにょ)
幼児の場合
●嬰児(ようじ)/嬰女(ようにょ)
乳児の場合
●水子(すいじ)
死産の場合
次号は戒名にまつわる問題点を取り上げます。
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