vol.17
家族葬の流れ
1/すっかり定着した「家族葬」という葬儀スタイル
参列者を招かず行なわれる「直葬」あるいは「密葬」とは違い、家族葬は近親者と生前親しくお付合いのあった友人・知人を招いて行われる小規模な葬儀を指します。1995年頃から徐々に増えはじめ、家族葬プランを設定する葬儀社や家族葬を専門に扱う葬儀社が増え、また家族葬を専門とする斎場さえ見られるようになりました。
家族葬の利点は何といっても会葬者への気遣いがないところです。参列者はそれぞれが顔見知りですから、儀礼的な挨拶も要らずゆっくりと故人を偲ぶことができます。
ところで、家族葬は従来型の葬儀と比べ進行の仕方にどのような違いがあるのでしょうか?
一般的な葬儀の流れ(臨終から納骨まで/仏式)
1/臨終
○清拭(せいしき)・着替え
○死化粧(しにげしょう)
○遺体の搬送
○遺体の安置・枕飾り・枕経(まくらぎょう)
※葬儀社は臨終前に決めておけば搬送や安置がスムーズになります。決めていなければ遺体の搬送のみをお願いし、葬儀方針を決めたあと、葬儀社を選ぶこともよいでしょう。
2/臨終後の逝去の連絡
○近親者、親しかった友人・知人のみに連絡
※一般弔問客の連絡は、葬儀方針決定後、どの範囲まで知らせるかを決める。
3/葬儀社と打合せ・諸手続
○葬儀の形態、規模、費用、日程など葬儀方針の決定(家族間)
○業者から仕様書・見積書を受け取り、内容を確認
○死亡届・火葬許可証申請書の提出を業者へ依頼
4/葬儀の準備・納棺
○僧侶への依頼、仏名を授かる
○通夜・葬儀の日程、場所、時間を関係者へ告知
○納棺(遺体を整え、着替えを行い納棺となる)
5/通夜
○読経、焼香(遺族、親戚、弔問客の順)
○弔問客への通夜ぶるまい
○近親者で席を囲み、遺体を見守る
6/葬儀前の準備
○葬儀業者と進行確認と打ち合わせ。
○葬儀・告別式の式次第、弔辞、弔電の扱い、また料理の手配の確認
○火葬場へ行く人数、送迎車の確認
○葬儀・告別式での役割分担の確認
7/葬儀・告別式
○僧侶による葬送作法(読経)
○弔辞拝受、弔電奉読
○焼香(遺族、親戚、来賓、関係者、一般参列者の順)
○遺族代表の挨拶(行わない例の多い)
8/出棺
○お別れの儀
○喪主、あるいは遺族代表者の挨拶
○出棺(火葬場への移動)
9/火葬
○炉前式(僧侶の読経、遺族・親戚・関係者の焼香)
○火葬(荼毘)
○遺族・親戚・関係者は控え室で待機、中食をとる場合も
○収骨(喪主から順に)
○遺骨を持参して帰宅
10/還骨法要(かんこつほうよう)
○遺骨を後飾り壇に安置し、還骨法要を営む
○繰り上げ初七日法要
○遺族・親戚・関係者で会食(精進落とし、お斎・仕上げ)
一般的な葬儀は以上のような流れとなります。
繰り返しとなりますが「家族葬」は決まった形や進行があるわけではありません。規模(人数)、費用、日程および宗教などを考慮し、通夜や葬儀・告別式、また火葬後の法要などのやり方を決めればいいわけです。
たとえば告別式を省くこともかまいませんし、祭壇をなくし僧侶を呼ばない無宗教で行なうお別れ会のような形をとっても立派な葬儀といえます。
要は故人の遺志、または喪主をはじめとする遺族の考え方を反映できる形態が家族葬といってよいでしょう。
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