江戸時代末期の日本の人口は約3,000万人、昭和初期には約6,000万人、2010年の国勢調査発表では1億2,806万人、と増え続けていた日本の人口。 日本の人口は2010年にピークを迎え減少に転じ、私たちの社会は「多産多死」から、「少産多死」へと人口環境が移行し始めたことはすでに前回で述べました。
「多産多死」とは要するに、第二次大戦後生まれた「団塊の世代」を中心とする昭和20年代に生まれた方々の「出生と死去」の突出した数の多さということです。
団塊の世代とは、1947年(昭和22)から1949年(昭和24)の間に生まれた人々を指します。2015年の現在、団塊の世代の年齢はおよそ68歳、 彼らが75歳以上となる2025年には後期高齢者人口は3,657万人に達すると見込まれています。
次に65歳以上の将来人口推計を列挙しておきます(かっこ内は推計の総人口)。この数字を見てどのような感想を抱かれますか?
2010年
2,924万人(1億2,805万人)
2015年
3,395万人(1億2,659万人)
2020年
3,612万人(1億2,410万人)
2030年
3,685万人(1億1,661万人)
2040年
2,981万人(1億727万人)
2050年
3,867万人(9,707万人)
2060年
3,464万人(8,673万人)
※数字は千人単位を切り捨てた概数
総人口は減少しているにもかかわらず、65歳以上の高齢者人口が増加していく状況はこの先40年ほど続くという予測。 高齢者人口が減少しても、総人口に対する高齢化率は上昇を続け、平成25(2013)年には高齢化率が25.1%で4人に1人となり、47(2035)年に33.4%で3人に1人となるという予測。 2042(平成54)年以降は高齢者人口が減少に転じても高齢化率は上昇を続け、2060(平成72)年には39.9%に達して、国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると推計されています。
また総人口に占める75歳以上人口の割合もさらに上昇を続け、いわゆる「団塊ジュニア」(1971~1974年に生まれた人)が75歳以上となった後に、2060(平成72)年には26.9%となり、 4人に1人が75歳以上の高齢者となると推計されています。なお65歳以上の人口に2030年と2050年の2つの山があるのは、団塊世代と団塊ジュニアたちによるものです。
また一方で、出生数は減少を続け、2060(72)年には、48万人になると推計されています。この減少により、年少人口(0~14歳)は2046(平成58)年に1,000万人を割り、 2060(72)年には791万人と、現在の半分以下になると推計されています。
そしてその向こうにあるのは「少産少死社会」の到来です。少産多死そして少産少死社会へと、日本は確実にその姿を変えます。 葬儀のあり方、弔い方もこうしたこの人口動態と決して無縁ではないはずです。次はこうした社会構成で行なわれる葬儀について考えます。
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