「日本の将来推計人口について(その2)」で述べましたが、65歳以上の高齢者の将来推計人口は今後50年間約3,000万人から3,500万人の間で推移します。 高齢化率は、総人口に対して2015年現在約25%が2060年には40%ほどになります。国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者という目を背けたくなるような社会が到来することが確実となっています。
高齢化社会が社会や個人に様々な問題とひずみをもたらすことはすでに様々なメデイアで論じられていますが、ここでは「人生の終末」周辺の問題について考えてみたいと思います。
そのひとつは老夫婦が片方を介護する「老老介護」の問題。厚生省は将来の認証患者の急増を予測、2015年1月に高齢者の5人に1人が認知症患者という将来予測を発表しました。 認知症同士で介護し合う「老老認知介護」という最悪の状況も考えておかねばなりません。
そのふたつは「誰が看取り、誰が弔うのか?」という問題。2015年現在、高齢者世帯は1,100万世帯といわれ、このうち一人暮らしは約500万世帯と推計されています。 将来これらの方々は死期を迎えることになります。認知症や有病者の超高齢者夫婦の一人が亡くなった場合のことを考えてみてください。さらには、「孤独死」が大幅に増加するだろうとの予測も見過ごせません。
日本に住む誰もが近い将来こうした高齢者問題に直面せざる得なくなります。介護施設や介護ヘルパーの充実が必要なのはいうまでもありません。 では、いったいどうすれば? 体も頭も元気なうちに上記2つの問題に準備を進めておくこと、これしかありません。認知症にかかってしまって手遅れです。万一のことを考え、 お子さまをはじめとした近親者の方々とよく話し合い「遺言書」の作成をしておきます。たとえば「エンディングノート」も良いかもしれません。
大切なのは自分あるいは自分たちの「意志」を明確に書き表し残しておくべきということ。「葬儀の仕方」や「お墓」などに関しては信頼できる葬儀社と事前の相談を行っておくのもひとつの方法です。 人生の終末も今の人生の延長にあることを自覚し、ラストスパートは美しくゴールを切りたいものです。
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